2021年10月28日に群馬支部の秋季セミナーをZOOMで開催しました。今回は、共愛学園前橋国際大学国際社会学部国際コース准教授 西舘崇氏にお願いし、「群馬県における多文化共生・共創社会の実現に向けて〜データと当事者の視点から考える~ 」、と題して講演を行っていただきました。参加者は21名です。(JSAG 幹事青木)
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演者要旨
群馬県は今年春、外国人県民を地域社会を共に創る「仲間」と位置付けた「群馬県多文化共生・共創推進条例」を策定しました。条例によりますと、多文化共生・共創社会とは「国籍、民族等の異なる人々が、互いの文化的な違いを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員として共に生きるとともに、多様性を生かしつつ、文化及び経済において新たな価値を創造し、又は地域に活力をもたらす社会」と定義されています。
本報告では、この新たな多文化共生・共創社会の実現に向けた課題を浮き彫りにすべく、まずは県政による取り組みを概観し、その上で外国人県民についての基本データや調査結果を考察しました。後半部では、外国にルーツを持つ二人の若者に登壇してもらい、小中高時代における経験や現在の職場(中学校)・環境(大学やアルバイト先)での気づきと課題などについて語ってもらいました。
報告後の質疑応答ではたくさんの質問を頂きました。色々と意見交換をさせて頂きながら考えていたこと、それは「多文化共生社会の ‘真’ のステークホルダーとは、一体誰なのか」という問いです。これは、2年ほど前でしょうか、多文化共生に関する県主催のシンポジウムにて、武井昭先生(高崎経済大学名誉教授)から頂いた問題提起でもありました。
直接的な答えにはなっていないのですが、私は多文化共生社会(あるいはそのための取り組み)の現状を見るに、それは日本人にとって都合の良い社会になっているのではないか(あるいはそこに向かっているのではないか)、と思うことがあります。多くの日本人にとって悪気などはないでしょう。しかし、無意識のうちに、私たちは私たちが予測しうる範囲の中で、外国人らのニーズを特定し、それに対応しようとしているのではないか、と思うのです。この点については、諸先輩方の実践や経験、そして先行する研究に学びながら、慎重に検証していきたいと考えています。
最後になりましたが、今回のような貴重な学びの機会を頂きましたJSA群馬支部の皆さまに心から感謝いたします。誠にありがとうございました。登壇させて頂いた若者二人からも、会合への謝辞とコメントをもらいましたので、以下に紹介させて頂きます。
<藤井ミレナさんより>
・今回の会合に出てみて大変良いディスカッションができたように思います。21年間、外国人として日本に生きる1人の人として、改めて考えさせられるような質問や、話し合いができて有意義な時間を過ごすことができました。私と有富さんの他に日本人の若者をもう1人混ぜて今回と同じようなディスカッションをする場が有れば、さらに共有できるものが見つかるのかなと思いました。貴重な時間をいただけたことに感謝の気持ちでいっぱいです。
・今回の会合に出てみて大変良いディスカッションができたように思います。21年間、外国人として日本に生きる1人の人として、改めて考えさせられるような質問や、話し合いができて有意義な時間を過ごすことができました。私と有富さんの他に日本人の若者をもう1人混ぜて今回と同じようなディスカッションをする場が有れば、さらに共有できるものが見つかるのかなと思いました。貴重な時間をいただけたことに感謝の気持ちでいっぱいです。
<有富はじめさんより>
・会合について:群馬県で実際に現場に立って様々な経験をしてらっしゃる先生たちの前でお話しするのは非常に緊張感がありましたが、僕なりに伝えたいこと、話したい事を話すことができたと思っています。2時間の会合は(実際は1時間半)あっという間で時間が過ぎるのは早いと思いました。それだけ、この会合で色んな先生方、学生の方が興味を持っていたという表れであり、もし2回目があればまたお話していきたいと考えています。終始盛り上がっていて非常に良かったと思います。
・会合について:群馬県で実際に現場に立って様々な経験をしてらっしゃる先生たちの前でお話しするのは非常に緊張感がありましたが、僕なりに伝えたいこと、話したい事を話すことができたと思っています。2時間の会合は(実際は1時間半)あっという間で時間が過ぎるのは早いと思いました。それだけ、この会合で色んな先生方、学生の方が興味を持っていたという表れであり、もし2回目があればまたお話していきたいと考えています。終始盛り上がっていて非常に良かったと思います。
・質問について:攻め切った質問(国籍の帰化やルーツのきっかけ)があって実はうれしかったです。こういった質問は逆に質問されないと答えづらいのもあるので、思い切った質問があったのはそれだけ興味があるのだとうれしく思います。反対にこちらかも質問する時間があればとも思いました。
文責 西舘崇(共愛学園前橋国際大学)
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