2020年12月26日土曜日

日本学術会議新会員任命拒否問題に関する群馬弁護士会と日本科学者会議群馬支部との共同記者会見

 



 追加 新聞掲載 朝日新聞


 

菅政権による日本学術会議新会員任命拒否問題に関する群馬弁護士会と日本科学者会議群馬支部との共同記者会見について

日時場所:2020年12月22日13:30〜15:00 「刀水クラブ(群馬県庁5階)」
マスコミ各社:朝日新聞、東京新聞、毎日新聞、群テレ、上毛新聞、赤旗

群馬弁護士会参加者:
久保田寿栄 会長 
弁護士会として会長声明を出した経緯、共同記者会見に至った経緯
古平弘樹 副会長 司会
熊川俊充 憲法委員会委員長 
任命拒否の違法性・違憲性についての解説
東條 宏 憲法委員会委員・元裁判官 
1970年代の最高裁による裁判官任官拒否・再任拒否問題の紹介と教訓
赤石あゆ子 憲法委員会副委員長 日弁連憲法問題対策本部委員

日本科学者会議群馬支部参加者:
山田博文 経済学 JSAG代表幹事 群馬大名誉教授
黒須俊夫 情報メディア論 日本社会情報学会元会長 群馬大名誉教授
青木武生  放射線生物学 日本放射線影響学会 県立県民健康科学大学教授

  2020年10月1日の『しんぶん赤旗』のスクープによって、菅首相が、小沢隆一東京慈恵会医科大学(憲法学)、岡田正則早稲田大学(行政法学)、松宮孝明立命館大学(刑事法学)、加藤陽子東京大学(歴史学)、芦名定道京都大学(キリスト教学)、宇野重規東京大学(政治学)の6人の教授を学術会議新会員への任命を拒否したことがあきらかとなりました。
 この異例の事態について、全国の各種学会だけでなく、弁護士会が抗議・撤回声明を発表しました。群馬県弁護士会は11月11日に、日本科学者会議群馬支部は11月18日に抗議・撤回声明を発表しました。両者の抗議・撤回声明はその内容と志が通底したこともあり、この異例の事態で直接被害を被る日本科学者会議群馬支部サイドから法律の専門家である群馬弁護士会に、事件の真相をそれぞれの立場と専門分野で広く群馬県民に訴える共同記者会見の申し出があり、群馬弁護士会もこれを了解し、今回初めて両者の共同記者会見が実現しました。
 菅政権による今回の日本学術会議新会員の任命拒否事件について、群馬弁護士会からは、法的にみても日本学術会議法違反であり、学問の自由の侵害であること、しかも菅首相の答弁は矛盾だらけであり、法的に全く異常であること、今回の事件は、一連の検事長の勤務延長問題につながる問題の深さと大きさを示していること、などの指摘がありました。こうした事態について、県民の皆さんに事の真相と重大性を知っていただく目的から、群馬弁護士会と日本科学者会議群馬支部とが共同記者会見を開催した、とのコメントがなされました。また過去(1971年)にも司法修習生の裁判官任免事件が起きており、それの再現を見ているようだ、とのコメントもなされました。
 日本科学者会議群馬支部からは、学問の自由が侵害され、学問研究の本来の役割である独立した研究成果に基づく将来の選択肢を国民に広く提示することができなくなること、しかも2004年の大学の法人化以来基礎的な研究費が削減され、科学研究費を得るためのテーマを誘導され、すでに事実上、学問の自由が侵害されていること、真実はともかく国策に反対する教員へ圧力がかかっていること、任命拒否された教授の学問分野や教育へ悪影響が及んでいること、人事面・予算面で全国の文系学部、教育学部の切り捨てが行われていること、など、多くの問題が指摘されました。
 今回の異常事態に対し、すでに670学会が抗議撤回声明を出していること、海外の著名な『ネイチャー』誌、『サイエンス』誌なども緊急のコメントを掲載し、国際的にも注目されていることが紹介されました。日本国内では、メディアに対する圧力が強くなり、すべてのコメントが完全にモニターされ、チャックされている事実も紹介され、現政権の恐ろしさも紹介されました。
会見終了後も、新聞各社の記者の皆さんから、会見内容について、個別に質疑応答がなされ、充実した共同記者会見となりました。



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